尊厳死とは―
傷病により「不治かつ末期」になったときに、自分の意思で、死にゆく過程を引き延ばすだけに過ぎない延命措置をやめてもらい、人間としての尊厳を保ちながら死を迎えることです。
あなたは「どんな手段を使ってでもいいから、1秒でも長く生きたい」と思いますか?それとも過剰な延命措置に疑問を持ち、尊厳死を望みますか?
どちらを選んでも正解はありません。選んだ答えが自分の(家族を含めての)生き方なんです。
尊厳死宣言書(リビングウィル)とは―
治る見込みのない病気にかかり、死期が迫ったときに「尊厳死宣言書」(リビング・ウイル)を医師に提示して、人間らしく安らかに自然な死をとげる権利を確立するための宣言文書です。
その状態になる前に「尊厳死宣言書―リビングウィル―」を作成し、家族や法律家に預けておきます。そして万が一の場合は、医師に尊厳死宣言書を提出し、延命治療の中止を求めます。
リビングウィルの主な内容は以下の通りです
1. 不治かつ末期になった場合、無意味な延命措置を拒否する |
自分のために、家族のために―
末期がんに侵されている―、治る見込みのない病気―、現在の医学ではどうしようもない―
そして死期が迫っている。でも生きているだけの時間(家族から見ればかけがえのない時間です)。
無意味な延命治療を施されて、家族に精神的・経済的負担をかけたくない。また自分はそんな生きているだけの時間を過ごしたくない。
そんな思いありませんか?私はそう考えています。だからリビングウィルを作成しました。
家族に迷惑をかけたくない、自分らしく最後を迎えたい。
そんな思いがある方は、私に相談していただけませんか?
尊厳死が認められる場合とは―
一般的に尊厳死が認められるのは、医学的見地から回復の見込みがなく、死期が迫っており、人工呼吸器をつけるなどの延命措置をしても死期を引き延ばすだけ―という場合だと解されております。
例えば、脳出血等で大きなダメージが脳にあり、脳死状態になったが、延命措置をすればある程度の期間、生命を維持できると予想される場合です。(改正臓器移植法で脳死が人の死と定義されましたので、今後の運用は見守る必要はあります。09.07.14追記)
そしていわゆる植物状態でも尊厳死が認められるかは解釈がわかれます。この場合は、脳の一部の機能が残っており、自力で呼吸できるなど、将来回復する可能性も残っているからです。
日本尊厳死協会では、植物状態が数カ月続いた場合は、生命維持装置の取りやめを求めておりますので、自分で作成する場合は盛り込むのも一つの方法でしょう。(公正証書では断られることもあります)
必ず尊厳死が認められるのでしょうか―
現在、日本では尊厳死に対しての法律はありません。よって確実に実現される保証はできません。
とは言え、日本尊厳死協会の2008年遺族調査によると現場では94%の確率で尊厳死宣言書を受け入れてくれたとのデータがあります。
ここ最近の調査では毎年9割以上の回答がありますので、事実上は医療の現場では尊厳死が認められていると言っても過言ではないでしょう。
まずリビングウィルを作成しないことには何も始りません。自分の人生を自分の思うように生きても良いのではないでしょうか。
安楽死と尊厳死―
安楽死とは、病気が末期の状態であっても、現時点で意識がハッキリしており、当人が自分の要請で、薬物などを利用して、積極的に死に到らしめたり、薬を与えて自殺の幇助(自殺の手助け)をすることを意味するものと解されております。
対して尊厳死(リビング・ウィル)はそこまでの領域に入り込んでおりません。(延命)治療をしないと死に至るような場合に、事前に延命治療を拒否し、その結果自分が死に至っても、全ての責任は「自己決定権」を行使した自分が負うとの意思表明した書類がリビング・ウィルなのです。リビング・ウィルは延命治療の中止を求めるものであって、決して自分で積極的に死を望むものではないのです。
安楽死は積極的安楽死と消極的安楽死の二つに分類され、消極的安楽死は尊厳死と解されております。
遺言書 |
自分の死後に関する財産相続などのために作成 (死後に効力発生)
|
|---|---|
リビング・ウィル |
自分の生きている間に起こりうる事に対処するために作成 (生きている間に効力あり)
|
尊厳死に対する判例(法的基準)―
死に対する価値観は人様々です。どれが良いと決めつけれるものではありません。また尊厳死は法的に確立された制度ではありません。
とは言え、むやにみ実行できるものではありません。その法的基準となりえるのが以下の判例ではないでしょうか。
尊厳死・延命治療中止を、安楽死とは別ものとして明示した裁判が1995年 横浜地方裁判所の東海大安楽死事件です。現在、この判例が、延命措置の停止の法的よりどころとなっていますので、紹介いたします。
患者は末期ガンで入院しており、その後、腎不全を併発したため、KCL(塩化カリウム)等の注射をして患者を死に至らしめました。医師は、「患者の家族に強く要請されて、注射をすれば患者が死ぬと承知した上で薬剤を投与した」と説明しましたが、逮捕され、起訴された事件です。
この注射をするときには、看護婦に止められていましたが、医師は強引に一人の判断で薬剤投与をしてしまったわけです。
患者の家族からは起訴しないよう求める嘆願書が提出されていましたが、KCL等を注射した行為は、患者に肉体的苦痛は存在せず、患者の明示の意思表示も存在しないので、積極的安楽死の要件を満たしていないとの事で、殺人罪にあたるとされ、懲役2年執行猶予2年の判決がでました。
このときの患者は、①昏睡状態で肉体的苦痛はなかった②生命の短縮を認める本人の意思表示がない、など積極的に安楽死させてもよい要件は揃っていませんでした。
判例で示された延命治療中止の要件
①患者が治癒不可能な病気に冒され、回復の見込みもなく死が避けられない末期状態にあること
②治療行為の中止を求める患者の意思表示が存在し、治療の中止を行う時点で存在すること
③治療行為の中止の対象となる措置は、死期の切迫の程度、当該措置の中止による死期への影響の程度等を考慮して決定される。
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2011.11.08 |
名古屋市東生涯学習センターにて無料相談会開催。
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2011.10.08 |
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